イモリの研究6年目 イモリのほかく大作戦2
~イモリに捧げる曲(ぼく)VSトルコ行進曲(モーツァルト)~
石川県金沢大学人間社会学域学校教育学類附属小学校6年
部家 匠さん
シロツメクサの就眠運動についてV
~蒸散量と気孔との関係からメカニズムを探る~
茨城県立並木中等教育学校3年
河島 真冬さん
みなさんこんにちは。石川県金沢大学 人間社会学域 学校教育学類附属小学校6年の部家匠です。本日はこのような賞をいただき、ありがとうございます。
僕はイモリが大好きです。僕はこれまで112匹のイモリを捕ってきました。でも僕はいつもイモリを捕るのに少し苦労しています。網で捕れる範囲までイモリが近づいてきてくれないのです。そのため、1時間に2匹くらいしか捕まえることができません。5年生の研究で、イモリは水の流れる音や特定の周波数630~2,000Hzの音が好きだということが分かってきました。そこで、イモリが好きな音を流すことでイモリをおびき寄せて捕まえるということを思いつきました。これを「イモリのほかく大作戦」と名付けることにしました。でも、イモリがちゃんと音に反応しているかはよく分かりませんでした。そこで6年生では「イモリのほかく大作戦2」として自作の実験装置を使って、イモリが好きか嫌いかを判断するために工夫しました。更に、僕は3年近くピアノを習っていたので、イモリが好きな周波数を使って、イモリが集まってくる曲を作ることにしました。そして、モーツァルトのトルコ行進曲と比較して調べることにしました。僕が作ったイモリに捧げる曲を使って実証実験をした結果、イモリが集まってきました。半径1メートル以内に28匹も集まってきて、実験は大成功でした。一方、モーツァルトのトルコ行進曲では逃げていってしまいました。自然界の実証実験ではうまくいったのですが、自作の実験装置を使った自宅ででの実験は、この結果を再現することはできませんでした。この時は本当に不思議で、この実験を諦めようかと思いました。でも、実験環境の違いやイモリの状態に仮説を立てて検証した結果、イモリはピアノの音に慣れてしまって反応しなかったことが分かりました。そこで、新たに捕ってきたイモリを使って実験した結果、イモリに捧げる曲は明確に好きだということを示すことができました。
この実験は時間がかかり大変でした。後で調べてみると、その実験だけでも610回以上もありました。この時はこの実験を続けて本当によかったなと思いました。更に、同じピアノの音色でも、曲によって好き嫌いがあることが分かりました。これは周波数が重要であるということを示していると考えています。イモリに捧げる曲は、イモリが大好きな僕にとって最高傑作となりました。そこで、イモリに捧げる曲をお聴かせします。鍵盤ハーモニカなので周波数は違いますがお聴きください。
~イモリに捧げる曲演奏~
この研究を進めるにあたり、多くの方々の力とイモリに協力を得ました。最後に感謝いたします。本日はこのような賞をいただき、本当にありがとうございました。
こんにちは。茨城県立並木中等教育学校3年の河島真冬です。この度はこのような素晴らしい賞をいただくことができたこと、心から嬉しく思います。ありがとうございます。
さて、みなさんはシロツメクサという植物の葉が開閉することを知っていますか?シロツメクサは、幸せを運ぶ四つ葉のクローバーとしても親しまれていますが、私もその四つ葉のクローバーを見つけたことがこの研究を始めた最初のきっかけです。ある日、公園で見つけた四つ葉のクローバーを家に持ち帰った時、夜に葉が閉じてしおれてしまったのかと思いましたが、朝になるとまたその葉が開いていました。なぜ葉が開閉したのか不思議に思い、小学校5年生の春からこの研究を続けてきました。小学生の時に行った研究から、シロツメクサの葉は人間と同じように、朝に開き、日中日が当たる時は少し休憩をするように閉じて、夜になると眠るように閉じること、またその動きにはシロツメクサ自身の体内時計が関係していることが分かりました。そこで、様々な光の条件のもとで観察したり、光合成との関係を調べたり、研究を進めていく中で生じた疑問を一つずつ調べていきました。
今年は、シロツメクサの就眠運動と蒸散量との関係、また、蒸散に関わる気孔との関係について研究をしました。どうしたら1日中、葉の動きや蒸散量を観察できるのか、何本のシロツメクサを使えば蒸散量を調べられるのか、どうすれば対照実験ができるのか、たくさんのことを考えながら予備実験を重ねました。それは決して順調ではなく、研究のことを考えるのが嫌になったり、やめてしまおうかと思ったりしたこともありました。しかし今回、研究を始めた時からの課題である、就眠運動が起こるメカニズムについて、自分なりに考察できたことは大きな達成感がありました。
自然の力は偉大です。この研究を通して、シロツメクサを様々な条件に置きましたが、どうにかして光を得ようとする様子や、環境に適応して就眠運動が変化するところを見て、シロツメクサの強い生命力を感じました。これから、今まで以上にたくさんうまくいかないことや難しいことが多くなり、試行錯誤すると思います。そんな時、この研究を通して見た、シロツメクサの強さを思い出し、暗闇の中でも明かりを見つけて進み、どんな環境においても忍耐を忘れずに自分の力を生かすことができるような人になりたいです。また、今回賞をいただいたことを励みに、これからも努力していきます。
最後になりましたが、今日この場にいることができるのは、指導してくださった先生方、協力してくださった先輩方や部員など、たくさんの方々のおかげです。本日は本当にありがとうございました。
小学校の部 | 中学校の部 | 合計 | |
---|---|---|---|
応募校数 | 704 | 217 | 921 |
応募作品数 | 7206 | 4081 | 11287 |
応募校数 | 応募作品数 | |
小 学 校 の 部 |
704 | 7206 |
中 学 校 の 部 |
217 | 4081 |
合 計 |
921 | 11287 |