じっくりと観察を積み重ねた作品
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クラブ活動は授業と塾のすきま時間で
都市部の中学校の例にもれず、同校でもほとんどの生徒が塾や習い事に通っている。クラブ活動は授業と塾通いの合間をぬって行われる。そんな限られた時間の中でも、継続的な研究が続けられることを今回の作品は証明してくれた。 南中学校の近くには、武蔵野台地の湧き水を水源とする野川が流れている。同クラブは発足時から、野川の水質や周辺の生物の調査、市内の大気汚染などを継続的に調べていたが、渇水して川の水が流れなくなった時、やむなく中断することになった。その時、「ぜひ昆虫をやってみたい」という声が部員からあがり、「小金井の自然環境は本当に豊かなのか、昆虫を通して考える」という調査が2002年からスタートすることになった。 |
![]() 学校のグラウンドは広い。 |
生徒と一緒に模索しながら共同研究
小金井周辺や野川にはどんな昆虫がどれくらいいるのか。中村先生は「調査地点を決めてやった方がいいよ」「季節ごとに集めた方がいいよ」などのアドバイスはしたが、基本的には自由にのびのびと調査が進むように見守る役に徹した。「私は昆虫が専門というわけではないので、指導というより共同研究ですね。一緒に模索しながらやってきました」
観察場所として定めたのは、野川沿いの原っぱや親水公園など6ポイント。まずはデータを集めることに力を注ぎ、夏休みを中心に、毎月のように調査に出かけて昆虫を集めた。最初の年はのべ8日、次の年からは15~16日は屋外で昆虫を採集した。中村先生自身も同行して写真撮影を担当、見つけた昆虫をカメラで接写した。
顕微鏡を専門の図鑑を駆使してコツコツを
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記録シートは手書きを基本に
種類が特定できた昆虫は、A4サイズのシートに記録する。見つけた場所の地図、昆虫の写真、特徴などのコメントをつける。昆虫のスケッチは絵の得意な部員が担当した。この3年間で採集した昆虫は1000を超え、その中から同定できた240種をシートに記録した。 昆虫一覧データはエクセルを使って生徒が打ち込んでいるが、それ以外の部分にパソコンは使用せず、記録は手書きが基本。また、標本も作らない。標本作りやパソコン操作で余分な負担が増えることのないようにという配慮からだ。 |
1枚ずつコツコツ作った |
蓼科の移動教室で自然を観察
理科の自由研究を夏休みの宿題として出すことはしていない。理科の授業のカリキュラム以外で自然に触れるチャンスとしては総合学習の時間があり、2年生のテーマは「環境」。その一環として、6月下旬~7月には蓼科高原への移動教室を実施、今回初めて現地の自然科学の専門家と合同のプログラムを組んだ。生徒の希望に応じて「昆虫」「野鳥」「野生動物」「気象」「地質」の5つのグループにわかれ、それぞれの活動を行う予定だ。
理科の授業の中では、その場でレポートにまとめるよう指示している。授業の最後に時間をとり、実験の結果を短いレポートにまとめて提出させている。レポートはチェックして次の時間に返却している。
研究を通じて市民団体やNPO団体とも交流
これまでも、中村先生は自然科学観察コンクールに何度か応募している。前々回の第43回では、同クラブの生徒による『学校周辺に昆虫はいるのか』が最終選考まで残った。今回の3等賞の受賞は、体育館での朝礼時に全校生徒の前で報告され、部員全員が舞台に上がり、部長が校長先生から表彰状を受け取った。「皆、狂喜乱舞していました。賞品の双眼鏡にも大感激していましたね」
昆虫の調査を継続して行っていることが次第に知られるようになり、小金井市内で昆虫を研究している市民の団体やNPO団体から連絡が入るようになった。今後は学校外の人たちとも昆虫を通して交流をはかれるようになるかもしれないと、中村先生は期待を膨らませている。
先輩から後輩へ受け継がれるデータ
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中村江里子先生
2年生担任
理科担当
自然科学クラブ顧問
北海道(1)
秋田県(2)
福島県(1)
茨城県(2)
群馬県(2)
埼玉県(1)
千葉県(2)
東京都(6)
富山県(1)
長野県(1)
岐阜県(1)
愛知県(1)
京都府(2)
福岡県(1)
鹿児島県(1)