〔研究の動機〕
小学1年生の時、クロオオアリの飼育をしているとき、マユから羽化するのを見た。羽化は自分でマユを破るのではなく、破ってもらって出てくる。そして驚いたのは、羽化している最中に動く気配もないのに、成虫のワーカーが羽化してくるアリのクチをなめはじめた。その時、もしかするとこの最初の「キス」がアリの家族形成で重要な行為なのではないかと考えた。マユやサナギを入れかえたら、すりこみが起こるのではないかと考えた。サムライアリとクロヤマアリのように異種のアリでも子供を育てる行為がみられることがわかっており、クロオオアリを使って実験をしてみた。
〔結論と感想〕
クロオオアリを使って異種のアリでも「すりこみ」がおきた。しかし、条件がある。それは、クロオオアリへの「すりこみ」が成功するためには、卵・幼虫・マユ・サナギの匂いが似ているか、無いこと、そして家族臭がまだできていない状態の卵・幼虫・マユ・サナギでなければならないこと。ムネアカオオアリの新女王のワーカーが生まれる前の卵・幼虫・マユをクロオオアリは育て「すりこみ」がおきた。

