こんにちは。岐阜県関市立武芸小学校4年山口加廉です。
この度は文部科学大臣賞という大変素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。
私はこれまでアサガオやアメンボ、ジョロウグモを研究してきました。
この4年間研究を続けてきて良かったと思うことが3つあります。
1つ目は研究を通して、たくさんの方と知り合い、力をもらうことができたことです。
今年は雨が多く、研究に苦労しました。晴れた日はデータを集めるために、クモが多くいる児童館の庭に通いつめて朝から晩まで実験をしていたのですが、児童館の先生がテントを張ったり、机を外にまで持ってきたりしてくれました。また、小さな子が近づいてきて、「僕もやりたい」とお母さんに言っている姿がなんだか嬉しかったです。他にもいろんな方から頑張ってねと声を掛けてくれたことも励みになりました。最終実験の巨大クモの巣糸電話では、小学校のみんなと実験ができてとても楽しい思い出になりました。
2つ目に謎を解き明かす楽しみを知ったことです。苦労もあったけど、最後までやり抜いたことで最高の満足感が味わえました。今回は毎日の登下校中に浮かんだ「どうしてこんなにジョロウグモばかりいるの?」という疑問を中心に研究を始めました。ジョロウグモが多いことは調査をして確認できましたが、なぜ多いのかという答えを出すにはどうすればいいのか迷いました。そこで、次に多くて同じ円網を張り、姿も似ているナガコガネグモと比較実験を行うことで、秘密を見つけていくことにしました。研究を進めていくと、夏と秋では、違う結果になったり予想通りにいかなかったりして何度も何度も実験を繰り返しました。でも、結果は同じで行き詰りました。別の実験結果から段々点と点がつながって、自分なりの答えにたどり着くことができた時には本当に感動しました。
3つ目は科学がどんどん好きになったことです。自然を巧みに利用しながら自分の長所を生かし、必死に生きる植物や生物の不思議に触れたことで科学に一層興味がわきました。苦労した研究を認めていただいたこと心から嬉しく思います。研究をやってきて本当に良かったです。本日はありがとうございました。
みなさん、こんにちは。愛知県刈谷市立平成小学校6年山田優萌菜です。
文部科学大臣賞を受賞したと聞いた時は、とてもびっくりしました。そして研究を一緒にやった友達と喜びました。きっかけは、5年生の理科の授業で流れる水の働きを勉強した時でした。砂場で水を流して実験していた時、とてもクリーミーな泡が立ったのです。そして6年生になりいつも見ていた泡がとても不思議に思え、友達と研究をすることにしました。研究を始めたときは夏休みが終わってからでした。約2ヶ月の間、うれしかったこと、大変だったこと、楽しかったことがたくさんありました。大変だったことは仮説を立てて調べて行くことでした。自分たちで実験方法を考え、先生と相談しながら研究を進めていくという経験をしたことがこれまでになかったので、とても難しかったです。仮説どおりに実験結果がならず、行き詰ってしまうことも何度かありました。そんな時友達と話し合いながら新たな仮説をたて考えて調べていき予想通りの結果を出した時はすごくうれしかったです。楽しかったことは友達と3人で研究が出来たことです。重たい砂を運んだ時、砂をこぼしてしまい、おかしくて笑ってしまったこともあります。また、休みの日に1日がかりで研究をしているとき、お弁当の中身を交換しながら美味しく食べたことも楽しかったことの一つです。うれしかったことは授業後の研究をする時、友達が頑張ってね、応援しているよと声をかけてくれたことです。声をかけてもらうと「よし、今日も頑張ろう」と思えました。研究をしている間、理科の楽しさや不思議さをいつも感じていました。研究をやり終え、前よりも理科に興味を持つことができるようになりました。指導してくださった教頭先生や友達のおかげです。ありがとうございました。私はこれからも不思議に思ったことをどんどん調べていきたいと強く思いました。今日は本当にありがとうございました。
みなさんこんにちは、東京都杉並区立松庵小学校5年の増井真那です。文部科学大臣賞を受賞することができてとてもうれしいです。知らせを聞いた時はとてもびっくりしました。5年間の実験に参加して苦労してくれた変形菌たちにも知らせられたらいいなと思っています。
5歳のときにテレビ番組で変形体が動いているのを見たのが変形菌との最初の出会いでした。すごくきれいで不思議な生き物だと思い、それから自分で野生の変形体を探して飼育するようになりました。今では6種類も僕と一緒に生活しています。おもしろくてかわいいので種類ごとに名前を付けています。例えば、イタモジホコリはノビスカちゃん、アカモジホコリはチミニーちゃんです。小学1年生から続けている僕の変形菌の研究は、自分で採集した野生の変形体を複数使っているのが特徴です。自然の中でみつかるのはほとんどが子実体で、変形体はなかなか見つかりません。見つかったとしても飼育し続けるのはとてもむずかしいです。種類ごとに適する餌や環境を探したりしながら毎日世話をして、多い時で約80ケースの野生の変形体を長期飼育しています。昨年は野生の変形体に子孫をつくらせ、育てることに成功しました。それまでは飼育して実験をするだけでしたが、世代を紡ぐことができるとわかり、とてもうれしかったです。5年の間、研究を続けることができたのは、仮説を立てて、実験をするとその結果から次々と新しいなぞや仮説が出てくるからです。僕はなぞが大好きなのでそれを続けているうちに5年も経っていました。やってきたことを論文にまとめるのは研究の内容や変形菌のことをたくさんの人と話し合いたいからです。ほとんどの人は変形菌のことを知らないけれど、変形菌は身のまわりにもたくさんかくれている身近な生き物です。「変形菌は生き物に見えないよ」という人も多いけれど、そうではなくて、実験の結果から種類ごとに動きや性格が違って、出会った相手がくっついて一つの自分になれるかどうかを判断して行動を決められる、人間にもないすごい力を持った生き物だということが分かりました。これからも、変形体の自分と他人を見分ける力についてもっと深めていきたいと考えています。
5年間、研究を続けてこられた理由がもう一つあります。それはたくさんの人がいつも色々教えてくださり、応援してくれたからです。みなさんにありがとうの気持ちを伝えたいです。変形菌の研究を続けているとたくさんの人とつながる機会ができます。カビや鳥や昆虫や動物の骨など、違う分野の研究をしている人ともたくさんお知り合いになれました。研究を指導してくださった出川先生に特にお礼を言いたいです。5歳の時から僕に変形菌のことだけではなく、自然のことなら何でも教えてくださいました。変形菌のことを知るためには、自然の中のつながりを全て知る必要があるのだ、ということを教えてくだ
僕の最終目標は変形体とお話しができるようになることです。それは変形体ともっと仲良くなりたいし、変形体が自然の中で何を考え、どういう役割をしているのか、人間の目には見えない、自然の中のつながりがどうなっているのかを教えてもらいたいからです。
そして、そのことをみんなと話し合えたらいいなと考えています。
これからもがんばります。今日は本当にありがとうございました。
皆さん こんにちは 沖縄県伊是名小学校6年の東江孝太です。
本日は、文部科学大臣賞という大きな賞を受賞出来て本当に嬉しく思っています。ありがとうございました。これからもこの賞を励みにして研究を頑張っていきたいと思います。
僕の住んでいる伊是名島は、沖縄の最北端にある四方を海に囲まれた小さな島です。ここで生まれて育ったので小さい頃からたくさんの海の生き物を見たり遊んだりしてきました。
この研究は、そんな遊びの中で波打ちぎわにいつも流れ着いてくるアマガイや二枚貝に丸い穴がなぜ開いているんだろう?という疑問から始まりました。調べてみると実は、同じ貝に食べられて丸い穴が開いていることが分かりました。アマガイや二枚貝は、タマガイという肉食貝に食べられていたのです。そして、波打ち際に毎日たくさんのカラマツガイの貝殻が流れ着く場所があることに気がつきました。それは同じ岩にすむツノテツレイシガイやテツレイシガイという穴をあけないで貝を食べる肉食貝に食べられてからっぽになった貝殻だったのです。
波打ち際に流れ着いたカラマツガイを雨の日も風の日も日差しの強い日にもひたすら拾い集め、種類、大きさ、数を記録しました。
記録して調べてみると流れ着く貝殻の種類、大きさや数には「きまり」があり毎日バランス良く食べられていることが分かりました。食べるのも食べられるのもお互いに自然界の「大きな決まり」の中で、毎年同じパターンを繰り返して共存していました。流れ着いた貝殻の大きさで海の中の貝の成長も見えてきました。
今回の研究でたくさんの肉食貝が生息していることに驚きました。
よく観察すると生息している岩からどこにも移動しないで同じ岩に住むカラマツガイ類やヒザラガイ、貝の卵などを決まりよくエサにして成長していました。また2匹ずつペアを作って岩の穴に入ったり出たりを繰り返しながら移動していることも分かってきました。 口の形に変化があることからオス、メスがありカラマツガイ類のように雌雄同体ではないことも分かりました。しかし、まだ肉食貝の産卵の方法は分かっていません。謎のままです。今回の研究で一番印象に残ったことは、去年の研究で青いペンキでマーキングしたコウダカカラマツガイが一個だけ肉食貝に食べられずに残っていたことです。色をぬった他のたくさんの貝は全部食べられていなくなったのに青い貝は生き残ってがんばっていました。しかし今年の夏にとうとう食べられて消えてしまいました。自然の厳しさを教えられました。岩の上でも食うか食われるかの関係の厳しい世界の中でカラマツガイも肉食貝も与えられた命を精一杯生きているということを教えられました。また、海の生き物も人間もみんなつながっているということを研究を通して伝えていきたいです。
4月からは中学生になります。島には高校がないのでこの伊是名島で暮らせるのもあと3年しかありません。あと3年、自然に恵まれた伊是名島で生まれたことに感謝して海の生き物の研究、そして大好きな釣りもサッカーも頑張りたいと思います。
今日は本当にありがとうございました。
みなさんこんにちは、岐阜県からきた山田佑哉です。
このような素晴らしい賞をいただき、ありがとうございました。とてもうれしいです。
ハイイロチョッキリとの出会いは、世界遺産・白川郷にある、トヨタ白川郷自然学校へ家族で出かけた時のことです。
森の中に落ちていたドングリの枝を見たときに、「これは、チョッキリという昆虫がどんぐりに卵を産んで枝を切ったものです」という話を聞いて、とても驚きました。
さっそく、家の近くの公園にある森の中を 歩いてチョッキリの枝を何本も見つけることができました。
それから、何回も森の中を歩いて調査を続けるたびに新しい発見ができて、とてもたのしかったです。
2年間の研究でわかったことは、ハイイロチョッキリは自分の子孫を残そうと、いろいろな工夫をして、精いっぱい生きているということです。
そして、森の中では色々な生き物がつながって生きているということも実感しました。
僕は将来、森の保護センターを作りたいと考えています。そのためにももっといろいろな勉強や研究をして、地球のことを考えられる人間になりたいです。
そして、人間も含めて、地球上の生き物がずっと仲良くできればいいなぁと思います。
みなさんこんにちは、野々雄斗です。このたびは最高の賞をいただきまして、本当にありがとうございます。とてもうれしいです。
ところで皆さん、3年前に行われた「愛・地球博」へ行かれましたか?僕はこの「地球博」が行われた町のすぐ近くの日進市に住んでいます。その後、日進市はますます発展して、去年人口が8万人を超えました。市の東に位置する香久山小学校は、全国で児童数が一番のマンモス校です。一方、ツバメの研究の拠点となった日東保育園は、市の西に位置し、発展する日進市の中でも昔のまま変わらない場所です。ツバメの巣を奪うほど保育園にスズメが多く集まってくる直接の原因は、大きな鳥小屋のエサにありますが、背景には僕たち人間の生活の変化があると思います。
さて、僕はこの研究を通して気づいたことがあります。それは「1つのことをしようと思うと、いろんなことをしなければならない」ということです。 たとえば、市内を1軒1軒歩いてまわり、聞き取り調査をして、初めて日東保育園が独特の環境だということが分かりました。また、巣の中を見るために竹やぶに入り、竹を切って特製の長い鏡を作りました。さらに、早朝と夕方の練習があるサッカーの部活とツバメの観察をどう両立するか、悩みながら自分の生活リズムを考えました。
このように、研究を通して経験してきたことすべてが僕のプラスになっていると思います。たとえば、所属しているサッカーチームのコーチから「試合の全体を見て、自分がどう動けばいいのかを、客観的にみる力がある」と言われます。これは、研究を通して身に付いたプラスの一つだと思います。
今年の研究はもう始めています。今年のテーマは「学習」です。スズメに横取りされたツバメがどのような行動をとるのか。これまでと違う行動が見られるかもしれません。この会場には沖縄をはじめ、日本全国から集まっています。スズメやツバメはとても身近な鳥なので、皆さんも面白い行動を見かけたらぜひ僕に教えてください。情報交換をして一緒に科学を続けていきましょう。
れからもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
僕は、このような素晴らしい賞をいただき、大変うれしく思っていると同時に、本当にこのような賞をもらえるとは思っていなかったので、とてもびっくりしています。結果が家に届いた時は、お母さんと目をつぶって封筒の中を出し、一気に見ました。
僕はもともと生き物が好きで、小学校一年生の時に、いじめられて弱っていたカナヘビを家に連れて帰り、水やエサをあげました。すると少しずつ元気になっていき、その様子を見てとても興味がわいたため、このまま飼育をし、観察をしていくことに決めました。
はじめは、カナヘビとトカゲの区別もつかなかったのが、観察を続けていくうちに全然違うことがわかり、六年間観察をすることができました。
観察を続ける中で一番大変だったのは、カナヘビやトカゲのエサとなる、バッタなどの虫を捕まえることです。カナヘビとトカゲが冬眠から覚める3月から11月くらいまで、毎日100匹以上の虫を捕っていました。でも、観察をしていく中で、毎年新しい発見や疑問があり、楽しく観察を続けられたことが、このような賞につながったのだと思います。
12月のある日、先生から「万智さん、文部科学大臣奨励賞おめでとう」と言われ、はじめはなんのことだか分かりませんでした。しかし、それが夏休みに取り組んだ『うちわの研究』のことだとわかって、だんだん嬉しくなってきました。研究のきっかけはうちわで扇ぐと風がよく来るのに、下敷きやノートではあまり風が来ないのはどうしてだろうと思ったからでした。 研究は、形や固さ、あおぐものの厚さを変えながら進めていきました。一番大変だったことは、「風の強さをどうやって測るか」でした。でも、ロウソクを使うことによってうまく風の強さを測ることができました。研究で分かったことを使って『スーパーうちわ』を作りました。完成したスーパーうちわは、いつも使っているうちわと形などがほとんど変わりませんでした。私は昔からの人の知恵に大変おどろきました。 これからも自分たちのまわりにあるものや、不思議に思ったことを調べていきたいと思いました。
コンクール受賞、しかも、文部科学大臣奨励賞との連絡を受け、受賞の驚き、そして喜びで胸がいっぱいになりました。
研究のきっかけは買い物に行ったスーパーで、何気なく手に取ったレタスの茎に、赤いものと白いものがあることに気づいたことでした。
それからは次から次へと新たな疑問がわいてきました。それらをパズルを整理するように解き明かしていくことで、レタスの茎の変色の秘密を探ることができました。
今回の研究で、一つのなぞが解けると新たななぞが出てくる。そのなぞを解く楽しさ、調べることの楽しさを実感することができました。
これからも何気ない疑問、ふしぎに思ったことなど大切にしていきたいと思います。
こんにちは。愛知県刈谷市立富士松中学校科学部バスケットゴール班の早川桂佑です。
今回文部科学大臣賞を受賞したことを聞き、非常に驚いています。
ある日友達がバスケット漫画を読んでいるときに不思議なシーンを見つけました。ボールがゴールに入った時に、ゴールのネットがリングよりも上に跳ね上がっていました。漫画の中だけの演出だと思っていましたが、実際にも起こっているよ うでした。
なぜネットが上に上がるのか、どうしたらあのようなシュートが打てるのか疑問に思い、調べてみることにしました。まずボールをシュートしましたが、なかなかゴールに入れることができなかったので、リングだけを使って実験を行いました 。
最初は全くネットがひっくり返る様子は見られませんでしたが、高さや角度などの条件を一つずつ変えて初めて再現できた時はとても嬉しかったです。
次にボールやネットの条件を変えてネットが上に跳ね上がるかを調べました。ネットを編んで作る作業はとても大変で、何日もかかってネットを編むこともありましたが、市販のネットと同じ結果を得ることができて良かったです。仮説を立て てそれが証明できたときは達成感を感じ、この実験を続けてきて良かったと感じることができました。
この実験では地道な作業が非常に多かったと思います。文章には書かれていないような実験も多く行いました。実験が長引くこともたくさんありました。ひたすら同じ作業を続けることは大変でしたが、周囲の先生方や友達に支えられて結果を 出すことができたと思います。自分たちがこの科学部で3年間活動を続けてきて、このような大きな結果を残すことができ、その価値を感じることができました。そして僕たちは頑張ってきたこの結果を誇りに思います。
これからも様々なことに興味をもち、不思議に思ったことを研究し続けていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。
こんにちは。静岡県浜松市から来ました小池未知です。
この度はこのように大きな賞を頂き、ありがとうございます。
中学校の理科の先生から受賞の連絡を受け、今日をとても楽しみにしていました。
皆さんはツマグロヒョウモンという蝶を知っていますか。本州では学校の花壇や街中でも見られるオレンジ色のきれいな蝶です。スミレ科の植物を食草としているので花壇のパンジーやビオロの葉を調べると幼虫を捕まえることができます。幼虫は真っ黒で背中にオレンジ色の棘があり、まるで毒をもっているかのような、一度見たらもう忘れられない姿をしています。僕は小学3年生の自由研究からツマグロヒョウモンを育てて観察していますが、一昨年からいろいろな木に蛹になるツマグロヒョウモンを同じ日に一斉に羽化させることができないかということに挑戦しています。まず、蛹を冷蔵庫の野菜室に入れて眠らせる方法を考えました。しかし、蛹になる直前の前蛹では、寒い場所では長く生きられませんでした。また、なりたての柔らかい蛹を野菜室に入れると羽化した蝶は脱皮不全となり、羽根がシワシワの蝶が多く誕生してしまいました。そして今年は固い蛹になってから7日目の朝に野菜室に入れるようにしたところ元気な蝶の同日羽化に成功しました。成虫の生態の観察では、狭いネットケージの中ではうまく観察できなかった為、部屋の網戸に蝶を放すようにしました。その結果、求愛や交尾の様子などを詳しく観察することができメスの交尾拒否行動の発見につながりました。生き物相手なので、自分の思い通りの結果にはならないこともたくさんありますが、工夫してうまくいったときの喜びはなにものにも代えがたい達成感がありました。家の冷蔵庫に蛹を入れることを快く了解してくれた家族の協力があり、研究を深めてわいた疑問は大学の先生にメールで問い合わせて返事を頂き、貴重な経験をすることが出来ました。これからもたくさんの不思議を見つけ、調べていけたらいいなと思います。本日はありがとうございました。
静岡県浜松市から参りました露木愛と申します。この度は大変栄誉ある賞を頂きありがとうございます。私はもちろん私の家族も今日をとても楽しみに来て参りました。友達や先生方も自分のことのようにこの受賞を喜んでくださいました。私は小学4年生からドジョウを飼育している水槽での水耕栽培について研究をしてきました。3年生の時に校外学習で水耕栽培の農場を見学し、水に化学肥料を溶かして土が無くても野菜が栽培できることを知りました。家の前の水路や通学路の川に大きな草がたくさん生えているのをみて、肥料が無いのにどうして育つのだろうと思ったのが研究の動機でした。排水路に直接チンゲン菜の苗を浮かべて近所の方に笑われたりもしました。水槽では伸びた根を金魚に次々食べられたりもしました。2年目からは水槽の底にいて腸呼吸もできるという理由からドジョウを飼育し、その水面で水耕栽培をするようになりました。そして今回、ドジョウも食べられることを知り、大きく美味しく育つように餌も考えました。結果的に大変美味しい野菜とドジョウが育ちました。生育スピードは劣りますが、化学肥料を使わなくてもドジョウに餌を与え、水中の微生物環境を整えることで水耕栽培ができたことに大きな喜びを感じています。野菜や魚は生育環境や肥料、餌によって味が大きく変わることも分かりました。この装置がいつか社会の役に立てたらよいなと思っています。夢は宇宙空間等の閉鎖空間での利用です。廃棄物を餌にドジョウが育ち、植物が光合成により二酸化炭素を酸素に変えて成長もしていく、そんな循環が可能になったらおもしろいなと思っています。それと私の住んでいる浜松市は特産としてウナギが有名です。だから、いつかドジョウだけでなくウナギでも試してみたいと思っています。この4年間に多くの方からアドバイスを頂きました。水生生物、農業、微生物それぞれの分野の専門的な指導を受けることができ、一つの飼育栽培装置として出来上がりました。まだ小学生だった私、中学に入ったばかりの私に丁寧なご指導、アドバイスを下さった農研機構野菜茶業研究所の篠原先生をはじめ、たいへん多くの方々、先生方に心から感謝致します。中学に入ってやりたいこともやらなければならないことも増えましたが、この受賞を励みに更に研究を深めていきたいと思います。
本日は本当にありがとうございました。
こんにちは、岐阜県郡上市から来た浅谷俊太郎です。
このたびはこのような素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。
僕は科学が好きです。小さいころから「なぜ?どうして?」というのが口ぐせでした。夏休みのたびに取り組んできた自由研究も小学校1年生からはじめて今年で9年目になります。特に物理が好きで楽に雪かきをする研究や映画「ロードオブザリング」をテーマにしたカタパルトの研究、平家物語の那須与一をテーマにした弓矢の研究などにも取り組んできました。今回の研究は使いやすいスイッチをテーマにした研究です。
僕が通っていた西和良中学校は去年で閉校になりました。西和良中学校は築63年の木造二階建ての校舎です。とても古い校舎のため、スイッチも旧式のものばかりでした。その中でも特にランチルームのスイッチが固く、指がしびれるほどの力で押さないと付きませんでした。どうしてこのスイッチだけこんなに固いのか、入学当初からとても気になっていました。同時に小さいころ遊びに行ったおじの家のスイッチがとても軽かったことを思い出しました。そこでこの固すぎるスイッチを使いやすくするために、さまざまな施設や場所のスイッチの強さ・種類などを調べていきました。調べる中で病院や市役所、モデルハウスの方など多くの人に協力をしていただきました。また、空港やショッピングモールなどでは怪しまれながらこそこそと調べました。しかし、このデータをもとに種類や年代によってスイッチの強さや形に規則性があることなどを発見し、使いやすいスイッチに結び付けることができました。
自分の力で疑問を解決していくことは研究の楽しさだと思い、これだから研究はやめられないと思いました。研究の面白さは自分の力で疑問を解決することだと思います。本やインターネットで調べることも楽しいですが、自分の力で解決することはそのさらに上を行くと思います。また、今回の研究のように研究の結果が普段の暮らしをよりよくすることにつながることはとても大切だと思います。この考えを大切にしてこれからも自分の研究で普段の暮らしがよりよくなっていくようなそんな生き方を目指していきたいと思います。
これまで研究で応援してくださった青木先生、中学校3年生にもなりながら夏休みにまで研究をしていた僕を温かく支えてくれた家族に感謝しつつ、今回の受賞を励みにこれからも研究を続けていきたいと思います。
本日は本当にありがとうございました。
こんにちは。
福井県越前市からきました、新谷智之です。
このたびはこのように大きな賞をいただき、ありがとうございます。
みなさんはアリに対し、どのような印象を持っていますか。
「夏に地面を歩き回る小さな虫」、「甘いものに集まる虫」、「よく働く虫」などでしょうか。
僕の研究のきっかけは小学校3年生の時に、アリは甘いものなら何にでも集まるのだろうか。甘くない食べものならどうなるのかを疑問に思い、研究をはじめました。
その結果、アリは甘くてもカロリーを含まない食品には集まらないことや、糖度を含んでいても苦いものや酸っぱいものには集まらないことがわかりました。
さらに研究を進めると、暑さに強い虫だと思っていたアリが、実は暑さに敏感なことや、アリの集団には必ず怠け者がいることがわかりました。
小学校6年生からは、環境に対しアリがどのように行動を変えるのか研究を進めました。その結果、アリは生命の危険に関わる環境変化には敏感に反応するのに、生命の危険のない環境変化には行動を変えないことがわかりました。
また、体内の水分量によって行動が変わることもわかりました。
この研究で苦労したことは、屋外での観察実験の時、途中で雨が降ったり日向になったりして、アリがいなくなってしまい、思うように研究が進まなかったことです。しかし、これらの失敗から新たな発見があり、より多くのことがわかりました。
また、フェロモンの影響について実験を進める際、専門の先生から丁寧なアドバイスをいただいたことで、精度の高い実験や考察ができ、本当に感謝しております。
特に今回は思うように研究が進まず苦労しましたが、このような大きな賞をいただき、本当に感謝しております。
アリはどこにでもいる小さな虫ですが、観察すればするほど新しい発見がわいてくる、とても興味深い昆虫だと思います。
ありがとうございました。
こんにちは、沖縄県の伊是名島からきました東江です。伊是名島とは沖縄本島の北にある小さな離島です。この島は都会では見られない自然が多く残っています。その中で育った私は、小学生のころからドロアワモチという生物の研究を継続してきました。今回の研究では、一つの石の下でのドロアワモチの動きを観察・記録し、産卵の様子や冬眠すること、また、海に流された幼生がもとの場所に帰ってくるという仮説を立て、証明することができました。この研究で大変だったことは、日差しの中で長時間観察しなければならなかったことです。ゆっくりと歩くドロアワモチの様子を観察したり、視点ごとに個体数を一匹ずつ数え長さをはかったりと、体力が必要でした。それでも、今日の観察で新しい何かを発見できるかもしれないと思い観察を続けてきました。
4月からは高校進学のために伊是名島を離れなければなりませんが、9年間継続し、伊是名島でできる最後の研究の年にこのような大きな賞をいただくことができ、大変うれしく思います。これからも生物の観察を通して学んだことを活かして、いろんなことに興味をもち挑戦していきたいです。
みなさんは、トマトの湯むきを知っていますか。トマトの湯むきとは短時間トマトを熱湯に通すことで、簡単に皮がむけるというものです。この研究は、たまたま料理番組でトマトの湯むきを見ていた部員が、どうしてこんなに簡単に皮をむくことができるのだろうと疑問に思ったことからはじまりました。
実際、研究は大変な作業でしたが、僕たちは湯むきの条件をいろいろと変え、研究を繰り返す中で、「トマト以外の野菜や果物でも湯むきをできないのか」と疑問を持ちました。そして、この疑問を解明することが、「トマトがなぜ湯むきできるのか」を明らかにすることにつながるのだと思いました。
調べてみると、モモ、リンゴ、ピーマンなど形や硬さ、皮の厚さなどが違う果物の中で、モモとソルダムだけ湯むきをすることができました。これらの共通点は、実が柔らかく、皮が薄く、皮と実の間になにかヌメヌメした液体があること、そして、皮の表面付近の細胞が三層構造になっているということでした。
これらの結論を導き出すまでに2か月以上かかってしまい、夏休みはとうに終わっていましたが、自分たちが納得できる結論を導き出すことができ良かったです。さらに、このような大きな賞までいただくことができ、とてもうれしく思います。
今後も身近なところからテーマをたくさん見つけ、徹底的に追及していきたいと思います。
私が、科学研究をはじめたのは、3歳上の兄が、毎年夏休みに研究に取り組んでいるのを眺めているうち、私も小学生になったらやってみたいとうらやましく思っていたことがきっかけです。はじめは兄の真似をしたり、父に手取り足取り教えてもらったりして、応募していましたが、小学校中学年のころからか、なんとなく研究のイメージが見えてきて、自力でいろんなことを研究してきました。もちろん、研究の進め方などで壁にぶつかったときには、兄や父に、そして学校の先生に相談して、一つ一つクリアしていきました。
このような経験から、科学研究とは、普段経験していることなのに視点を変えると、とても不思議なことに気付き、科学的な目でそのなぞを解明することだと気付きました。
私は一つの研究がおわると、次はどの研究にしようかなとテーマ探しのため、専用の「不思議ノート」を作って、普段の生活の中で不思議と思ったことをどんどん記録していきます。その中で、今回の研究では、『雨の中をできるだけ濡れずに進む方法』を取り上げました。
この研究を行うにあたって、見えぬものを見えるようにすることの大変さ、当たり前のことを深く考えることの大変さを実感しました。今回、研究を進めるうちにぶつかった課題で、専門機関へ手紙で質問をしました。面識もないただの理科好きの中学生相手に、一流の研究者や、技術者である大人の皆さんが丁寧な対応をしてくださいました。今回の研究を通じて、大勢の大人の方からのとても人間味ある温かな愛情を体験することができ、心から感謝しています。
今回目標であった賞を受賞できました。次はまた、来年も再来年も授賞式のこの場に立てることを目標に研究を続けたいと思います。心はすでに次の研究へやる気満々であり、不思議ノートは満タンです。
今年もまた、この会場に来ることができてとてもうれしく思っています。二年連続で文部科学大臣奨励賞をいただくことができるなんて、思いもしませんでした。
思うような結果を得られず投げ出したくなることが何度もありましたが、そのたびに去年、おととしと表彰式後のパーティーで励ましてくださった先生方の顔を思い出し、またあの場所へいきたいという思いがわきました。
周りから激励され評価してもらえるということは自己を肯定し、向上心を伸ばし、成長させてくれるものだと改めて考えさせられました。
これからも好奇心や探究心を失わず真実を見極める力をつけるよう努力していきたいと思っています。