〔研究の動機〕
ぼくが育てている虫の中では、ガラスをのぼれる虫とのぼれない虫がいる。例えば、脚が8本のハエトリグモはガラスの壁でジャンプしても落ちないが、ダンゴムシは脚が14本もあるのに全くのぼることができない。同じトビイロケアリでも、働きアリはガラスをのぼることができるが、女王アリはのぼることができない。
とても不思議に思い、その脚の違いが気になったので、9種類の虫を生息場所・食べ物・脚の数で分類し、8種類の足場をのぼれるか実験した。次に、それぞれの脚の接地面を顕微鏡で観察し、その仕組みを調べた。
〔結論と感想〕
予想では肉食の虫は獲物をとるために、いろいろな場所をのぼることができると考えていたけれど、草食のバッタも8種類の足場全てをのぼることができた。また、顕微鏡で見た肉食のカマキリと草食のバッタの脚の先は似ていたので、食べ物の種類は脚の違いに関係ないと分かった。同じクモの仲間でも、動き回って狩りをするクモと、網を張って獲物を待ちかまえるクモとでは、のぼれる足場に違いがあり、脚の毛の量やツメの数も違った。今回の実験と観察から、「何を食べるか」ではなく、「どのように食べ物をとるか」ということが脚の違いに関係していると分かった。
最後に、クモなどの脚に働くファンデルワールス力を確かめるために、ファンデルくんを作ってみた。ファンデルくんの実験では、濡れるとつるつるした面にくっつきやすくなるが、でこぼこした面にくっつくにはツメが必要だと確認できた。いつかどこにでものぼれる六足歩行のファンデルくんを作りたい。

