ぼくは、1年生・2年生・4年生・5年生の夏休みにカエルの研究をしました。
1年生の時は、アマガエルは黒と黄色の光が好きなことがわかりました。2年生の時は、アマガエルは周りの色に合わせて黒っぽい緑色・灰色・茶色になることがわかりました。4年生の時は、アマガエルは体長10倍以上のきょりをジャンプすること・長い後ろ足を同時に使い、水をいきおいよく押し出して泳ぐことがわかりました。5年生の時は、アマガエルとトノサマガエルを比べ、泳ぎやジャンプ力やしがみつき方の違いなど分かりました。また、カエルの脈拍数が人間よりも多いこと・食べ物によって登ることができるきょりが決まることなどを発見しました。
今年は父の田舎の高萩で見つけたアカガエルとトノサマガエルを比べて、5年間のカエルの研究をまとめようと思いました。
① | アカガエルは高いところまで登れるのかな。木や針金、ストローや園芸用の支柱などにしがみつけるのかな。 |
② | アカガエルとトノサマガエルでは、どちらの方がジャンプ力があるのかな。 |
③ | アカガエルの泳ぎ方、方向転換の仕方、ひっくり返り方、ジャンプの仕方はアマガエルやトノサマガエルと同じかな。 |
1.アカガエルは高いところまで登れるのかな。木や針金、ストローや園芸用の支柱などにしがみつけるのかな。
予想 ぼくが去年まで住んでいた家の桃の木には毎年アマガエルが来て登っていたけれど、そのほかのカエルが登っているのを見たことがありません。アカガエルもかべや木登りは得意ではないと思いました。
方法
① |
アカガエルとトノサマガエルを、水をはった浴そうに入れて、浴そうのかべを登るか観察した。 |
② | 木、園芸用の支柱、しの竹、針金、ストローにしがみつくことができるか、カエルをのせた後で木などを立てかけたりゆっくり回したりして調べた。 |
結果
① |
トノサマガエルは、昨年と同じく浴そうのかべを全く登りませんでした。アカガエルは途中で落っこちながらも、ゆっくり登って行くことができました。 浴そうのかべを飛び移ることもできました。水そうで、トノサマガエルはいつも下にいたけれども、アカガエルは下にいることもあれば登っていくこともありました。 |
② | アカガエルの足にはアマガエルのような吸ばんはついていませんでした。足の指先の関節を上手に使って絡ませていました。 |
カエルがしがみつけるかどうかの実験
浴そうの壁 | シノ竹 | 木 | 支柱(太) | 支柱(細) | ストロー | 針金 | |
アカガエル | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
トノサマガエル | × | × | × | × | × | × | × |
昨年の実験結果
浴そうの壁 | シノ竹 | 木 | 支柱(太) | 支柱(細) | ストロー | 針金 | |
アカガエル | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
トノサマガエル | ○ | × | × | × | × | × | × |
ストローにしがみつくアカガエル
2.アカガエルとトノサマガエルでは、どちらの方がジャンプ力があるのかな。
予想 トノサマガエルとアマガエルのジャンプ力はあまり変わりませんでした。アカガエルもほとんど変わらないと思いました。
方法
① | カエルの体長と足を伸ばした長さを測った。(アカガエル7匹、トノサマガエル3匹) |
② | ジャンプしたきょりを10回測り、1番長いきょりと1番短いきょりをぬかして、8回の平均を出した。 |
結果
名前 | 体調の何倍 | 足の長さの何倍 | |
アカガエル | 今年の記録 | 18.8倍 | 7.0倍 |
トノサマガエル | 今年の記録 | 9.6倍 | 4.1倍数 |
アマガエル | 一昨年の記録 | 13.2倍 | 7.6倍 |
3.アカガエルの泳ぎ方、方向転換の仕方、ひっくり返り方、ジャンプの仕方は、アマガエルやトノサマガエルと同じかな。
予想 アカガエルの体はあまり大きくないので、泳ぎ方や方向転換の仕方、ひっくり返り方はアマガエルに似ていると思いました。ジャンプの仕方はアマガエルとトノサマガエルで同じだったからアカガエルも同じだと思いました。
方法
① | 水をはった浴そうにカエルを入れて泳がせた。 |
② | 泳いでいるところをビデオカメラでとり、観察した。 |
③ | せい止画像にして、コンピューターで印刷した。 |
④ | 印刷したカエルの写真の上に、ビニルシートやトレーシングペーパーをのせて写し取り、次の動きを写した写真の上にのせて、カエルの体がどのように動いたか調べた。 |
結果
1.アカガエルはアマガエルと同じように浴そうのかべ、しの竹、木、園芸用支柱、ストロー、針金にしがみつくことができました。浴そうのかべも時間はかかったけれど登り切ることができました。トノサマガエルはしがみつくこともできなかったし、浴そうのかべも登れませんでした。登れるきょりがちがうのは、食べるものがちがうからだと考えられます。アマガエルは飛んでいる虫を食べているので、高いところまで登れるようになっているし、トノサマガエルは、バッタやコオロギなど地面をはって生活しているものを食べているので、登る必要がありません。アカガエルはバッタを食べていましたが、水そうの上の方にしがみついているものもいたので、アマガエルとトノサマガエルの中間のような性質をもっていると言えます。
登ったりしがみついたりする力
① | アマガエル |
② | アカガエル |
③ | トノサマガエル |
2.アカガエルは、路上ではとても活発で長いきょりを飛ぶことができました。着地したときに足がまだ伸びていることもありました。
ジャンプ力
① | アカガエル |
② | アマガエル |
③ | トノサマガエル |
3.アマガエルは左右の足を一緒にちぢめたり伸ばしたりして、平泳ぎのような泳ぎ方をしていました。トノサマガエルは左右の足を交互に動かして、ゆったりと泳いでいることが多く、スピードにのってくると、アマガエルのような足の動かし方をしていました。アカガエルは水中ではあまり動かず、無理に泳がせようとすると、はじに行って浴そうのかべを登ろうとしました。泳ぎ方はアマガエルト同じようでした。
泳ぎかた
① | アマガエル |
② | トノサマガエル |
③ | アカガエル |
4.アマガエルは30度位ずつ数回に分けて方向を変えていましたが、トノサマガエルは左右の足をじたばた動かすだけで方向が変わってしまいました。アカガエルは方向転換しませんでした。アマガエルとアカガエルは、ひっくり返るときに片足を伸ばしてはずみをつけて、全身でひっくり返っていました。トノサマガエルは、水の中では、大してはずみをつけなくてもひっくり返ってしまうようでした。
方向転換の仕方・ひっくり返り方
① | トノサマガエル |
② | アマガエル |
③ | アカガエル |
指導について小松節子
幼稚園生の頃からカエルが好きで、田んぼでオタマジャクシをつかまえてはカエルになるのを楽しみにして飼っていた。しかし、変態してしまうと餌の関係から長く飼うことができず、カエルになるのは喜びであり、寂しさでもあった。1年生の夏、毎年理科研究をしていた姉の影響もあり自分も研究がしたいと言い出した。研究をすれば大好きなカエルともっと長くいられると考えたようである。
1年次、カエルの好きな色の光を調べ、黒と黄色の光が好きであることが分かった。2年次、水そうの中に木の葉などを入れて体色変化を調べた。3年次、アマガエルのジャンプ力、ジュアンプの仕方、泳ぎ方、泳いでいる時の方向転換の仕方、あおむけにした時の戻り方を調べた。4年次はトノサマガエル、5年次はアカガエルについて調べ3種類のカエルを対比した。我が家にとって理科研究はわが子の成長が実感できる恒例の夏休み行事である。親は子供のあんなことがやりたい、こんなことを調べたいという希望がかなえられるよう、一緒にカエルを飼ってカエルの不思議さを見続けてきた。早朝から長靴をはいて網と水そうをもち家族みんなでカエル採りをした日々を、ずっと心にもち続けて欲しい。
審査評[審査員] 高家博成
小松君は1年のときからカエルの研究を続けてきて、今までの作品が5冊もたまりました。今年はそのまとめとして、アマガエル、アカガエル、トノサマガエルの3種類のカエルの性質の比較研究をし、特に、よじ登る力、ジャンプ力、泳ぐ速さなどに注目しました。
その結果、アカガエルはよじ登るとき、吸盤より指の関節が大切な役割をしていること、ジャンプ力はアカガエルがすぐれていること、泳ぎはアマガエルがすぐれていることなどがわかりました。たいへんおもしろい観察です。
このごろ自然界ではカエルが少なくなっています。今後は、カエルの保護や増殖なども研究してください。
ページトップへ
お父さんの薬がみつからないっ!
氷を水に入れるとひびが入るのはなぜか
お父さんの薬がみつからないっ!
氷を水に入れるとひびが入るのはなぜか