第48回指導奨励賞

学校奨励賞 小学校の部

茨城県美浦村立安中小学校

校長 鈴木 美治 先生

 釣りの大好きな子ども達と先生が額を寄せ合い、実に楽しそうに「釣り針の謎解き」に挑んでいました。謎を解く過程は、試行錯誤と創意工夫の連続でしたが、そこには楽しみながら“科学する心”がありました。
  この度、科学教育の振興に永い伝統と権威をもつ貴会主催、「第46回自然科学観察コンクール」において、本校6年生片桐裕人・高橋亮両君の共同研究、『つり針の形の秘密をさぐる』が佳作に入賞し、廣瀬教諭が指導奨励賞、そして思いもかけず本校が名誉ある「学校奨励賞」の栄に浴しましたことを、大変喜ばしく光栄に思っております。毎日新聞社をはじめ、主催・後援された関係機関並びに関係各位に、心から御礼を申し上げます。
  私たちの美浦村は、日本第2位の湖沼霞ヶ浦に面し、万葉の時代から歌に詠まれた名峰筑波山を望む、“湖岸文化のいきづくまち”であります。水郷筑波国定公園に指定されている湖岸には、ヨシやガマなどの水生植生帯が形成され、オオヨシキリやガン・カモ類などの鳥類やたくさんの魚介類が生息しています。
本校のある安中地区には、「日本考古学の原点」と呼ばれる国指定史跡「陸平貝塚」があり、スダジイやシラカシなどの植生や、ベニイトトンボやモンキアゲハなど生息する貴重な自然環境が残されています。
  霞ヶ浦の水辺や陸平の豊かな自然、歴史を生きた教材として取り組んでいる「総合的な学習の時間」や、全校児童が参加し陸平の自然や歴史を体感する「陸平探検」、古代から枯れることのないブクブク水(湧水)を利用した古代米づくりなどの様々な体験活動は、熱心なボランティアの皆さんや地域の人々の温かい協力によって支えられています。
  “安中っ子”たちが、これからも身近な自然や何気ない日常の出来事の中から“不思議”の種を見つけて膨らませ、独創性を発揮して、楽しみながら“科学する心”を育んでいってくれることを願って止みません。

指導奨励賞 小学校の部

「つり針の形の秘密をさぐる」

茨城県美浦村立安中小学校

廣瀬 和人 先生

伝統ある貴コンクールにおきまして、このような名誉ある賞をいただき、恐縮いたしますと共に、心より感謝申し上げます。
  夏休みに本校の高学年が行っている「一人一研究」は、お菓子の研究から草鞋作りや魚拓作りまで、ジャンルを問いません。子どもたちは思い思いのチャレンジをしてきます。そして。自信を持って紹介します。「つり針の形の秘密をさぐる」の研究もその一つでした。
  ものと情報があふれ、何でも手に入るような錯覚に陥りがちな昨今です。些細なことにも自分で活動して紐解いてみることで、必ず大きな発見に出会える。そんな体験を子どもたち一人一人にしてほしいと考えています。「つり針…」では、私自身も小さなつり針の工夫に驚き、人間の英知を感じた次第です。
  この度の受賞を励みに、今後とも生活の中の「なぜ?」を子どもたちと共に紐解き、知的好奇心を満たすことで、活力ある子どもの育成の手伝いをしていきたいと思います。

「茂木のミミズ、カブトムシからのメッセージ」

東京都文京区立昭和小学校

寺内 雄一 先生

この度は、栄誉ある「指導奨励賞」をいただくことになり、大変恐縮するとともに、心から感謝申し上げます。
  『茂木のミミズ、カブトムシからのメッセージ』は、夏休みの自由研究の一つとして、政哉君が自分自身の2年間の研究をまとめたものです。自然が大好き、生き物が大好きという純粋なこころから研究はスタートしました。農家の方からいただいた100匹を超えるミミズや矢まで捕まえたカブト虫を眺め、環境に与える影響について考えました。学校で学んだ環境問題とは切っても切れない関係にあることを感じ、自ら研究を進めていったことに感心しました。
  今回の受賞は、子ども自身の研究心と実践力、また、保護者の深いご理解とご協力に支えられていただくことができたものです。今回の受賞を励みとして、自然が好き、科学が好きという子どもを一人でも多く育てていきたいと思います。ありがとうございました。

「たき火のけむりの不思議
〜風上なのにけむりが来るのはどうして?〜」

茨城県美浦村立安中小学校

池田 正紀  先生

このたびは、伝統ある貴会より、栄えある賞をいただき、大変恐縮しますと共に、心より感謝申し上げます。
  日ごろ、「理科の楽しさ、おもしろさを味わってほしい」「自然の巧みさや美しさを実感してほしい」と願って子どもたちに接しています。今回の研究「たき火のけむりの不思議」では、追究を進める中で、子どもたちは「目に見えない空気の流れをどうすれば見えるのか」という大きな問題に突き当たりました。この問題を解決するため、いろいろ調べたり、聞いたりしてアドバイスも受けながら子どもたちなりの方法で実験を繰り返して追究を行いました。こうした努力や苦労を超えて見えてきた世界は、きっと、子どもたちにとっても新鮮ですばらしいものだったと思います。今、子どもたちといっしょに、このような経験ができたことを幸せに感じています。
  今後も、子どもたちといろいろな角度から自然を読み取っていきたいと思っています。

「大根のおろし汁で紙は白くなるか」

愛知県刈谷市立東刈谷小学校

内藤 大裕 先生

 この度は、栄誉ある「指導奨励賞」をいただき、大変恐縮するとともに、心から感謝を申し上げます。
  本校の理科部は、毎年、自然科学観察コンクールを目指して研究を行っています。今回の研究は、理科部の1人が家の障子の黄ばみを何とかしたいと考えたことがきっかけでした。
  実際に調べてみると、確かに大根の汁で、障子紙が強くなり、私自身びっくりしました。
  研究は、子供たちと一緒に考え、話し合いながら進めました。そして、解決の糸口が大根の成分にあることに気づき、顕微鏡や尿試験紙などを使って検証していきました。その中で、子供たちの発想の豊かさや粘り強さに驚かされました。
  今回の受賞を励みにして、今後も子供たちと一緒に自然の中の「なぜだろう」を探求し、たくさんの理科好きな子供を育てていけるように努力していきたいと思います。

「ナミアゲハのさなぎの色を決める
一番の条件は何だろう?」

兵庫県兵庫教育大学附属小学校

寺倉 邦明 先生

この度は、「指導奨励賞」という栄誉ある賞をいただきまして、大変恐縮いたしますとともに、心から感謝を申し上げます。
  今回賞をいただくことになりました本校5年生児童の橘智子さんの研究「ナミアゲハのさなぎの色を決める一番の条件は何だろう?」は、自宅の庭にいる幼虫を育てるときに生じたふとした疑問に端を発しています。彼女は、その要因について自分なりの推論をめぐらせ、条件を統一して結論を導き出す方法を考え、多くの固体を用いてねばり強く追究していきました。自ら問題を発見し、想像力豊かに楽しみながら研究を続けるその姿には、指導するどころか私自身教えられることがたくさんあり、大変感動いたしました。
  今回の研究を通して、また新たに自然から学ぶことの楽しさを実感することができたような気がします。今後も、子供とともに自然を見つめ、自ら発見する喜びを大切にして努力を積み重ねていきたいと思います。

学校奨励賞 中学校の部

茨城県龍ヶ崎市立愛宕中学校

校長 宮本 弘 先生

この度、「第46回自然科学観察コンクール」において、本構成、廣瀬亜耶さんの「雨が降っても大丈夫!グランドに適した土とは」が継続研究奨励賞を、また、本校が「学校奨励賞」をいただけたことを心より喜ぶとともに主催された毎日新聞社様を始めとする関係諸機関により心より御礼申し上げます。
  本校の理科教育では、科学が好きな子供を育てるために、「骨太な科学好きを育てる愛宕プロジェクト」を展開しています。それは、理科の授業をメインにし、理科と選択理科・総合的な学習の時間・理科の自由研究との連携を図り、環境を整備し、専門家の支援も受けて、たくさんの「面白い」と「感動」を子どもたちに体験させていくというものです。
  今回の受賞に繋がった研究作品もこのプロジェクトの中から生まれてきたものです。
  理科自由研究の面白さは、授業や普段の生活の中で「不思議だな」と思ったことを自らの手で試行錯誤しながら解き明かしていくことにあります」。その過程は、最先端の科学研究をしている科学者や研究者と同じです。この体験を多くの子どもにもたせるため、本校では放課後や夏休みなどに理科室を開放して、理科教師による理科研究相談日を設けて理科の自由研究を支援しています。
  科学的なこと・時間的なこと・場所的なこと・金銭的なことなど様々な問題を克服しながら研究をまとめ上げた子どもの心には、達成感や成就感が残ります。その達成感や成就感が次のエネルギーとなり物事に挑戦するときの自信となります。また、研究の中で身についた探究の技法は、必修理科や選択理科ばかりでなく、総合的な学習の時間にもおおいに活用されています。さらに研究の過程で磨いた感性、育んだ主体性や創造性をフルに生かして各種行事の中でリーダーとして活躍できるようになっています。
  今回このような栄えある賞を受賞できましたことを励みに、今後も子どもたちの「科学する心」を育てていきたいと思います。誠にありがとうございました。

指導奨励賞 中学校の部

「郡山市内を流れる
河川の水質変化を探る H17」

福島県郡山市立郡山第六中学校

佐々木 清 先生

このたび、指導奨励賞という栄えある賞をいただき、心より感謝申し上げます。
  私は、20年前から新しい中学校に転勤するたびに自然科学部を新設し、河川の水質調査やタンポポによる土壌調査など、生徒たちとともに地域の自然環境調査を行ってきました。その中でもいつも次のように生徒たちに語りかけています。
  『(1)環境調査の生きたデータを大切にしなさい。(2)その調査データからそこに棲む生物の声が聞こえますか。(3)そこの地域環境の姿が浮かび上がってきますか。(4)地域環境の姿を周りの人に教えてあげてください。(5)周りの人と連携して環境保全活動に参加してください』と。とても大変です。しかし、自然科学部員が協力し合い、苦労して科学論文にまとめながら、少しずつ地域の様子が見え始め、地域に棲む生物に耳を傾け、地域環境の叫び声を、科学論文に重ねて表現できるようになってきます。この時こそ、教師冥利に尽きます。

千葉県千葉市立緑町中学校

古市 直彦 先生

理科の授業で学習した内容を別の場面で活かすことができたとき、生徒は真の意味で理科的な力を身につけることができたといえるのだと思います。そこで、本校では伝統的に、全校生徒に夏休みを中心とした理科の「ひとりいち研究」に取り組ませています。
  指導に際しては、次のような理科環境の工夫を心がけてきました。
  (1)学習活動環境…十分な配付資料の準備(2)掲示環境…生徒の発想を引き出すような掲示物や展示物の工夫(3)人的環境…先輩や友人のレポートや、研究をまとめたパネルの展示(4)時間的環境…理科室開放期間の設定(5)設備環境…理科室物品の貸し出し
  生徒の理科的な力を伸ばしてあげたい…。
そのような気持ちで指導を続けて参りましたが、今回は思いもかけず私個人が素晴らしい賞をいただくことができました。これを励みに、今後も工夫を続けていきたいと思います。

「冷めるとき味がしみこむのはなぜか?」

愛知県刈谷市立富士松中学校

伊藤 雅彦  先生

今回、指導奨励賞という栄えある賞をいただき、心からお礼申し上げます。
  本校では、「なぜなんだろう」という生徒の素朴な疑問や思いを大切にし、自然や身近な生活に根ざした理科の自由研究に取り組んでいます。そして、この活動を通して、科学が好きになり、豊かな心が育ってほしいと願っています。
  今回出品させていただいた作品は、生徒が当たり前かもしれないけれど、でも不思議だな調べてみたいと考えた「味がしみこむメカニズム」について様々な角度からを粘り強く研究したものです。その着眼点や次から次へとわいてくる疑問には私の方が驚かされてばかりでした。生徒達が頑張った成果を認めていただけたことを大変嬉しく思います。
  今回の受賞を励みに、今後も生徒が自ら自然現象に目を向け、楽しみながら科学を追究していくような指導を心がけていきたいと思います。

鹿児島県鹿児島市立長田中学校

牟田 典丘 先生

このたびは、指導奨励賞という栄誉ある賞をいただき、大変感激しています。
  本校では、平成13年度から生徒の「探究する心」の伸長を図るため、全生徒を対象にして、夏季休業中を中心に、「標本物作成」事業への参加や「課題研究」に取り組ませてきました。課題研究を取り組ませる上で、次の4点を基本方針として、指導にあたりました。
(1)生徒の自発的な課題設定を妨げず、身近な課題の発見に努めること
(2)身近な手段や方法、器具を活用して取り組ませること
(3)コンピューターを多用させずスケッチ等に取り組ませること
(4)助言・指導は最小限にとどめること
  今回の受賞を励みに、これからも生徒の探究心をさらに高め、生徒とともに「科学する心」を持ちながら指導にあたっていきたいと考えています。

「風邪と羽のコラボレーション
ーその時、風車は回った!−」

沖縄県沖縄尚学高等学校附属中学校

伊元 九弥 先生

このたびは、指導奨励賞という名誉ある賞をいただき、心から感謝致します。と同時に、指導者としても未熟者の私が受賞してもよいものか恐縮しきりです。
  私は日頃から、生徒の科学に対する興味を引き出すこと、そして興味を引き出せた次の段階として、それらを思考・実践へと移行させるための手助けとなるような指導を常に心がけています。子どもたちには可能な限り“当たり前”という観念を持たせないようにしています。当たり前からは何も生まれない。なぜ?どうして?という発想から科学は科楽になりうるということを伝えています。
  このような中、本校の生徒が文部科学大臣奨励賞を受賞したことは、在校生にとって誇りになると同時に、これからの自らの可能性に挑戦するための励みになることと思います。そして私自身、今回の受賞を励みに、これからも生徒たちとともに身の回りの不思議や“当たり前”の解明に着手していきたいと思います。

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