秋山先生メッセージ

 

 日常の生活や自然の中には、不思議が沢山潜んでいます。
たとえば、朝顔のツルが左巻きなのか右巻きなのか、自転車はなぜ倒れないのか、渡り鳥はどこから飛んできてどこへ飛んでいくのか、などなど枚挙に暇がありません。

 しかし、あなた自身が不思議を感じる心や科学する目を持たない限り、これらの不思議を見過ごしてしまいます。
木からリンゴが落ちるのを見て、不思議を感じ、万有引力の法則を発見したニュートンは、亡くなる直前にこんな言葉を残しています。

 『世間の目にはどう映るか知らないが、私自身には、真理の大海は発見されないままで私の眼前に横たわっているのに、自分は砂浜で遊びながら時々普通のよりもなめらかな小石や美しい貝殻を見つけて楽しんでいる一人の少年にすぎなかったように思われる』

 知の巨人と称えられたニュートンでさえ、「自分は自然についてほとんど何もわからない」のだと言うほど、自然は不思議の宝庫なのです。科学(理科や算数や数学)を勉強するというと、書物で色々な知識を身につけることと思われがちですが、それだけでは十分ではありません。

 真の意味で“科学する”とは、自分で不思議を見つけ、実験や観察などに工夫を重ね、試行錯誤を繰り返しながら、そこに潜む真理を突き止めることです。

さぁ、諸君の出番です。
不思議を感じるアンテナをあなたの心に張りめぐらせて下さい。また、その不思議を解き明かすため、時には顕微鏡や望遠鏡を用いたり、さらにはあなたの頭の中にとても切れる“謎解きメス”を準備してください。


美しい緑の山や森、光が波に舞うのどかな漁港、あの素晴らしい三陸沖地方が今回の大地震と大津波で一転してしまいました。日々、TVに映し出される被災地の惨状に心を痛めております。この大地震による被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。
科学者の一人として、自然の驚異に震えながら、人間の無力さを痛感しております。しかし、この苦難を乗り越えない限り、物事は先に進みません。みんなで手に手を取り合って、歯をくいしばり、希望の明日を拓いていこうではありませんか。

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プロフィール

秋山仁(あきやまじん)

理学博士、東海大学教育開発研究所所長、(NPO)体験型科学教育研究所理事長、ヨーロッパ科学院会員。

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