子供の科学 科学のちから

静電気で痛くならない方法は?

車を降りるときやドアノブを触るとき、不意にバシッ! と電気が走って痛い思いをする静電気。小学4年生の力くんは、科学のチカラで静電気を防ぎたいんだけど…?

自動車のドアなど、金属に触ろうとしたとたんに「バシッ!」。
静電気って、痛いしビックリするし、イヤだよね。どうしたら防ぐことができるんだろう…?


  • さっき自動車から降りるとき、静電気が「バシッ」となって、とても痛かったんだ。友だちは静電気にあいやすい体質なんだって。これって直せるのかなぁ。
  • 静電気にあいやすい体質というのは、実はないんだけどね。
  • え! そうなの?
  • 静電気は摩擦によって起きるんだ。静電気には2種類あるって聞いたことがあるかい?
  • +と-でしょ? 確か+と+、-と-は反発して、+と-は引き合うんだよね。
  • そうそう。このマフラーと風船を摩擦すると、風船に静電気が起きる。風船に糸をつけておき、マフラーの摩擦したところに近づけると…。
  • あ! 引き合うんだ。ということは、風船とマフラーは片方が+でもう片方が-になったんだね! こすったときに何かが移ったのかな。だから移ったほうが+で、なくなったほうが-になる…?
  • 実は「何か」が移るのは-のほうなんだ。どんなものも原子という小さな粒からできているのは聞いたことがあるだろ。その原子の周りは電子で、真ん中に原子核がある。原子核は静電気の+、電子は-を持っているんだよ。
  • 電子が移ると、移ったほうは-に、取れたほうが+になるんだね。人も摩擦すると静電気が起きるの?
  • 身につけているものが他のものと摩擦すると静電気が起きて、それが人間の体にたまるんだ。
  • どうして冬に起きやすいのかな。
  • 主に湿度が関係しているんだ。湿度の高い季節は表面がぬれていて、そのぬれたところを通って電子が地面などに逃げていくから静電気がたまりにくい。気温が低い冬は、乾燥しているからね。
  • 冬でも、電子が逃げやすいものと逃げにくいものがあるの?
  • 家の中で裸足でいると、人間に静電気がたまっても静電気は足から床に逃げていくよ。
  • なんだ、じゃあ、静電気にあいやすい体質というんじゃなくて、何を着たり履いたりしているか、電子が逃げやすいかどうかなんだね。
  • そうなんだ。静電気を逃がすスプレーがあるけれど、衣類の表面に水分子を吸いよせて電子を逃がしやすくしているんだよ。
  • 他に静電気で痛い思いをしない方法はある?
  • 痛いのは、狭い面積で静電気が逃げるときなんだ。広い面積でゆっくり静電気が逃げると痛くない。だから、ドアノブなどを触るときに放電すると痛いのだけれど、木の板などに触るとゆっくり逃げる。または鍵を握っていると、人間から鍵に広い面積で静電気が移動するから痛くないよ。
  • 鍵を握っているだけでもいいんだね。静電気って怖いけど、電子を逃がす方法を知っていれば不安じゃないよね!
注意 火花が飛ぶ静電気は火事の原因にもなることもありますので、燃えやすいものの近くで静電気を放電させる実験はやめましょう。
パソコンなど電子機器は静電気に弱く、データが破損するおそれもあるので、その近くでの実験はやめましょう。
実験を行う場合は、大人と一緒に行いましょう。
また、妊婦、お年寄り、心臓の弱い方、ペースメーカーをつけている方は、特に充分にご注意ください。

すべてのものは、原子という小さな粒でできている。原子は、プラスの電気を帯びた原子核の周りを、マイナスの電気を帯びた電子が回る構造なんだ。

風船とマフラーをこすり合わせて近づけると、風船がマフラーに引き寄せられる。電子の移動が起こってプラスとマイナスになり、お互いに引き合うようになるんだ。

木の板などに触ると、ゆっくり放電するから痛くない。静電気を防止するスプレーをかけたり、カギを握っているだけでも、静電気を逃がしやすくする効果があるぞ。

 

  • 著:滝川洋二(NPO法人ガリレオ工房理事長 東京大学教養学部特任教授)
  • イラスト:有留晴香
  • 提供:(株)誠文堂新光社「子供の科学」編集・加筆

この実験を参考に、いろいろな研究テーマを探してみよう!

静電気を「見る」

実験によって静電気を帯電させ、紙や風船、髪の毛など軽い物体を動かす、暗い場所で放電させるなどして、目に見えない静電気の存在を確かめてみよう。身のまわりで一番静電気が起きやすい組み合わせ、起きにくい組み合わせ、その理由とは?

防ぐ工夫を考察

突然、「バシッ」と放電して痛い思いをしないために、静電気をため込まない方法、静電気をゆるやかに逃がす方法をいろいろ考えて、実験で確かめてみよう。いろいろな静電気防止グッズのしくみがわかるかも?

嫌われ者の静電気を有効利用!

ホコリを吸着するモップ、ピッタリくっつくラップ、紙にインクをくっつけるプリンターやコピー機など、静電気を有効利用した製品は身近にある。他にどんなものがあるか調べて、それらを参考にオリジナルの便利グッズを考えてみよう!

静電気の種類を調べる

接触帯電、摩擦帯電、剥離帯電、衝突帯電…。どんなときに静電気が発生しやすいかを調べてみよう。静電気が起こる理由が見えてくるはず!

普通の電気と、どう違う?

家のコンセントに来ている電気、乾電池の電気、静電気…同じ「電気」という名前だけど、何がどう違う? 静電気で蛍光灯や電球を光らせることはできないの? 電気の種類について調べてみよう。

作品ができあがったらシゼコンにチャレンジしよう

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