子供の科学 科学のちから

水は硬い…?上手な飛び込み方

プールが大好きな力君。でも、飛び込みだけは苦手…。だって、胸とかお腹を打っていたいんだもん。水はあんなにさらさらしているのに、どうして飛び込むと痛いんだろう?

飛び込みの特訓で胸とお腹が真っ赤に!
相手は水なのに、なんでこんなことになるの…?


  • プールに行くのは楽しいけれど、飛び込みは嫌いだな。だって、すごく痛いんだもん。
  • 水は柔らかいように見えて硬いからね。
  • え!? 硬いの?
  • ギネスブックにこんなことが書いてあった。水に飛び込んで生き残った人の最高の高さは76m。ところが、飛行機からパラシュートなしで飛び下りて生き残った人の最高の高さは6700m。たまたま落ちた所が渓谷の雪の斜面で、時間をかけて速さが減ったため、骨は折ったものの、命は助かったそうだ。
  • 76mより高いところから水に落ちると助からないんだ…。それが硬いっていうこと?
  • 高校生が実験したデータが少し昔の科学雑誌に載っていたんだけど、見てみるかい?
  • 「卵を落とすと、下がコンクリートの場合1mで割れる」「芝生の上では2.5m程度の高さから落としても割れないことが多く、3.8mまで割れないことがあった」…芝生の芝がクッションの役割を果たしているからかな。「大型のバケツに水を入れて上から卵を落とすと、5m程度で割れ始めた」…コンクリートや芝生ほど硬くはないけれど、まあまあ硬いということがわかったそうだよ。
  • 輪ゴムを左手の人差し指にかけて右手で伸ばして、右手を離すとゴムが勢いよく戻って指が痛いのはわかるだろ?
  • うん。そりゃ痛いよね。
  • ところがお風呂に入ったときに、左手の指を水につけて水の上に思いっきり伸ばした輪ゴムの手を離しても、ぜんぜん痛くないんだよ。
  • ホント? ちょっとやってくるね。
  • 本当にぜんぜん痛くないね! 水で輪ゴムの勢いが止められちゃうんだね。
  • 別の実験でも試してみよう。プラスチックのコップ2つに、アルミ箔を少したるませて口に貼り、輪ゴムでとめる。片ほうには水を入れる。深さが1・くらいになるね。それに割り箸で「輪ゴムパチンコ」を作って、輪ゴムをそれぞれ打ち込むんだ。水が入っていないほうは小さな穴が開いたのがわかる。では水を入れたほうのアルミは、輪ゴムで穴が開くかな…?
  • 水の重さがかかっているから弱くなっていると思うけど、水が輪ゴムのじゃまをしてアルミに穴は開かないんじゃないかな。
  • やってみてごらん。
  • うん、やっぱり穴はあかないね!
  • 水の硬さを利用して、細いノズルから高圧で吹き出して石やガラスを切る技術も実用化されているんだよ。
  • すごいね! 水がそんなに硬いんじゃ、飛び込みで胸が痛くならない方法はないのかなぁ。
  • 胸から飛び込むから痛いんだよ。指、頭から飛び込むのがコツだね。まずは耳の後ろで手を組んで飛びこむ練習をしてみてごらん。
  • 飛び込みで痛いのにも原因があったんだね。今度は痛くないように工夫してみるよ!

5mくらいの高さから生卵をバケツの水に落とすと、沈むんじゃなくて、割れるって!?水も地面やコンクリートみたいに硬いってこと? ちょっとフシギ。

思い切り引っ張った輪ゴムを水中の指に向かって放しても、ちっとも痛くない。コップに貼ったアルミホイルに向かって輪ゴムをはじくと破れるけど、水をためておくと破れない。水の「硬さ」が勢いを止めているんだ。






頭を上げて飛び込むと胸やお腹を打って、水の硬さを実感することになる。腕を耳の後ろにつけて、勇気を出して指、頭から飛び込むと、ぜんぜん痛くないぞ!

  • 著:滝川洋二(NPO法人ガリレオ工房理事長/東京大学教養学部附属教養教育開発機構)
  • イラスト:有留晴香
  • 提供:(株)誠文堂新光社「子供の科学」編集・加筆

この実験を参考に、いろいろな研究テーマを探してみよう!

お風呂で実験

お風呂のお湯の中で、腕にまいた輪ゴムを引っ張って手を離しても、全く痛くない。お湯の中で様々なものを動かして、形や大きさによる抵抗の大きさの違いを調べてみよう。

水を刃物に!?

水の「硬さ」を利用して、高速で吹き出して石などを切断することもできる。消防車の消火ホースから出る水は、すごい威力がありそうだ…。ノズルの大きさや水の速度と、水流の破壊力を調べてみよう。家庭の水道の水でも、ノズルを工夫すれば、柔らかいものなら切れそう?

抵抗との戦い!

魚や潜水艦の形、新幹線の先頭車両やレーシングカーの形などを検証。どんな姿が、水や空気の抵抗の影響を受けにくいだろうか? 自然と人工の「抵抗に負けない姿」を調べよう。鳥や魚に学んで作った人工物もたくさんあるらしいぞ!

生卵で衝撃吸収実験

バケツの水に落としても割れてしまう生卵。下にどんなものをしけば、割らずに落とすことができるだろうか? 靴底などに使われている衝撃吸収剤のしくみと効果を調べてみよう。実験で割った卵は、ちゃんと食べようね。

作品ができあがったらシゼコンにチャレンジしよう

ページトップへ

子供の科学

子供の科学とは?
  • 誠文堂新光社ホームページ
  • 「子供の科学」のお便り窓口「コカねっと!」