子供の科学 科学のちから

消える警告文字

街で見かける、へんな看板。何かの注意書きや、そこでやってはいけないことを伝えたいみたいなんだけれど、一番大事な部分が消えちゃってるんだよね。これって何か理由があるのかな?

「何に注意なんだろう」と不用意に近づくと、
たいへんなことになるかも…?


  • お父さん、近くの家に変な看板があるよ。
  • どんな看板?
  • 「に注意」と書いているのに、何に注意するのか書いていないんだよね。
  • おもしろいね。たぶん「猛犬」が抜けたのかな。
  • そういえば、肝心の文字が薄くなっている看板って結構あるわ。元はちゃんと書いてあったのが、消えてきたみたい。近くの高圧線のところにも貼ってあったわ。
  • そういえばあれは「駐車禁止」って、うっすらと書いてあったね。
  • 野外の看板にはよくあることなんだ。
  • どうして、野外なの?
  • 太陽からの紫外線が原因なんだよ。
  • 紫外線は女性の敵よ。シミやソバカスの元になるの。外出するときにはいつも紫外線を防ぐことに気をつかうから大変なのよ。
  • 日焼けと同じなんだけれどね。紫外線は目には見えない光だけれど、破壊力が強いんだ。肉屋などでは紫外線ランプを菌を殺す殺菌灯として使っているくらいだ。
  • でも、どうして看板の色が消えるの? 消えてないところもあるよ。
  • それは色によって破壊されやすいのとされにくいのがあるからなんだ。
  • 破壊されやすいのは赤かしら? 看板で消えているのが肝心な言葉の場合が多いのよ。
  • そうなんだ。赤は紫外線を吸収しやすい色だから、それだけ壊されやすいんだ。
  • その破壊力が強い紫外線が、オゾン層が破壊されたせいで地球に届きやすくなっているって新聞に出ていたわ。
  • 紫外線を防ぐ化粧品が効果があるのか、実験で調べられない?
  • 紫外線が当たると色が変わる製品が色々出ているよ。透明な眼鏡で紫外線が当たるとサングラスになるとか、白色のサンバイザーに紫外線が当たると紫色になるとか。
  • 透明なプラスチックに日焼け止めを塗って、太陽の光を当てて、もし色が変わったら紫外線が通ったということね。この実験は私も確かめたいわ!
  • お母さんが実験したいなんて…あまりなかったよね。
  • それだけ魅力のある実験、ということかな。

太陽光の中に含まれる紫外線が、紫外線を吸収しやすい赤い文字を消してしまうんだ。







太陽光が当たるとサングラスになるメガネに紫外線を防ぐクリームを塗ってみよう。その効果が調べられるよ!







長い期間、外に掲げる看板には、大切な部分に赤い文字は使わないほうがいいかもね。

  • 著:滝川洋二(NPO法人ガリレオ工房理事長/東京大学教養学部附属教養教育開発機構)
  • イラスト:有留晴香
  • 提供:(株)誠文堂新光社「子供の科学」編集・加筆

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