第47回入賞作品 小学校の部
3等賞

めざせ、最強の空気砲! パート4空気砲VS空気砲

3等賞

茨城県つくば市立桜南小学校6年
服部 篤彦
  • 茨城県つくば市立桜南小学校6年
    服部 篤彦
  • 第47回入賞作品
    小学校の部
    3等賞

    3等賞

研究の動機

 テレビやインターネットで水中空気砲(バブルリング)の追い抜き現象を見て、空気砲のドーナツでもできないかと思った。

研究の目的

空気砲のドーナツが同じコースを追いかける現象や、ドーナツが衝突したり、横並びで飛ぶとどうなるかなど複数のドーナツの関係を調べ、動きを説明する。

研究の方法

ダンボールで作った空気砲をたたいてドーナツを発射し、ビデオ撮影する。発煙装置は、音楽ステージやイベントなどで使うフォグマシンを使った。

実験1:確認実験

【実験1-1】ドーナツの性質

〈方法〉

空気砲ドーナツを、テニスラケットで妨害する。

〈結果〉

ガットを通り抜けた。

〈考察〉

ドーナツは内部で回転する空気のかたまりだ。回転する力があるうちは、ドーナツはそのままの形でいようとする性質がある。

【実験1-2】ドーナツの回転

〈方法〉

吹き矢型空気砲で、筒に煙を充填した後、息を短く吹き込む。

〈結果〉

フォグマシンの煙は空気より重く、少し時間がたつと筒の中で沈んだ。そのまま発射したら、下半分だけ色の濃いドーナツが出た。

〈考察〉

ドーナツは飛んでいる間、ずっと下半分だけ色が濃い状態だったことから、ドーナツ内部での回転は同じ位置で行われ、周りの空気を巻き込んだり、周りに溶け込んだりしない。

実験2:同じ大きさの空気砲で

【実験2-1】空気砲の正面対決

〈方法〉

2つの空気砲を向かい合わせ、ドーナツを衝突させた。衝突パターンは正面衝突と少しずらした半正面衝突。

〈結果1〉

正面衝突:2つのドーナツが、一緒に大きくなるかのように合わさって広がり、壊れた。

〈考察〉

回転している輪がぶつかり、外側向きの力が働いたため、ドーナツは大きくなった。大きくなったドーナツは回転せず、形を保てず壊れてしまった。

〈結果2〉

半正面衝突:2つのドーナツは互いの輪を切りあって、同時に壊れた。

〈考察〉

輪がぶつかる点は2カ所。その部分で輪は互いに前に進めず、それ以外の部分は進み続けようとしているので、形を保てず壊れた。ぶつかった2地点では、互いに空気の回転が乱され、保てなくなった。

【実験2-2】空気砲の追いかけ撃ち

〈方法〉

連続で2発ドーナツを発射。後から追いつきやすいように、2発目は強く発射した。

〈結果〉

2つ目の輪が追いつくと、1つ目の輪は横へ逃げるようにコースを変え、2つ目は追い抜いた。

〈考察〉

2発目が1発目を押しのけるように進んだのは、ドーナツには周りの空気と混ざらないで形を保とうとする性質があり、回転方向も互いにはじき合う向きにあったからだ。1発目の勢いも弱まっていたので、2発目に押しのけられた。

実験3:大きさの違う2つの空気砲で

【実験3-1】空気砲の正面対決

〈方法〉

大型空気砲と小型空気砲を向かい合わせ、ドーナツを衝突させた。衝突パターンは正面衝突と半正面衝突。

〈結果1〉

正面衝突:小さいドーナツが、大きいドーナツの中に吸い込まれるように入り、通り抜けた。

〈考察〉

互いの回転方向の関係から、小さいドーナツは大きいドーナツを押し広げ、大きいドーナツは小さいドーナツは押し縮める。互いに前に進もうとしているので、小さいドーナツはくぐる。

〈結果2〉

半正面衝突:ぶつかって両方とも壊れた。

〈考察〉

実験2-1の結果2と同じように説明できる。

【実験3-2】空気砲の追いかけ撃ち

〈方法〉

大ドーナツの後に小ドーナツを発射し、貫通・撃墜・押しのけをさせる。

〈結果1〉

貫通(くぐり抜け):小ドーナツが大ドーナツを貫通した。

〈考察〉

大ドーナツでは内側に巻き込むように回転し、小ドーナツの回転方向も一致しているので、小ドーナツは大ドーナツの穴へ勢いよく吸い込まれ、吐き出された。

〈結果2〉

撃墜(消滅):大ドーナツは、小ドーナツに狙い撃ちにされたように壊れた。

〈考察〉

小ドーナツの方が速く、勢いもあったので大ドーナツは2カ所で輪が断ち切られた。

〈結果3〉

押しのけ:大ドーナツはグニャリと変形して小ドーナツをよけた。

〈考察〉

実験2-2とは違って、大ドーナツが変形したのは、勢いのよい小ドーナツが、大ドーナツの輪の一部をはじいたからだ。

実験4:穴が2つの空気砲で

同時に同方向に発射された同じ大きさのドーナツが、互いにどんな影響を与え合うのか調べた。

【実験4-1】穴が1つで、中央からずれている場合。

〈結果〉

中央の場合と、見た目は変わらなかった。

【実験4-2】穴と穴の間隔が1cmの場合

〈結果〉

2つのドーナツは合体して、輪ゴムを飛ばした時のように縦長、横長の状態を繰り返しながら進んだ。

〈考察〉

2つのドーナツの近接部分には同じ回転方向の力が働くので衝突して輪が切れ、2つが合体する。この変な形のドーナツは円形となろうとするので、グニャグニャしながら飛んだ。

【実験4-3】穴と穴の間隔が5cmの場合

〈結果〉

合体した勢いのないドーナツができる時、最初からドーナツができない時があった。

〈考察〉

空気砲をたたいて撃つ時の、力の強さやタイミングによって変わるようだ。穴の間隔5cmは、2つのドーナツが影響しあうか、しあわないかの、ちょうど境目かもしれない。

【実験4-4】穴と穴の間隔が20cmの場合(その1)

〈結果〉

並んで飛んでいた2つのドーナツがだんだん向かい合わせになり、近づいて衝突した。

〈考察〉

2つのドーナツの真ん中には、後ろ向きの力が働く。両外側に比べて内側はスピードが落ちるので、だんだん向かい合わせになり、やがて正面衝突と同じことが起きる。

【実験4-5】穴と穴の間隔が20cmの場合(その2)

〈結果〉

間隔が1cm、5cmの時のように2つのドーナツは合体して、縦長と横長の状態を繰り返しながら、ウネウネして進んだ。

〈考察〉

撃つ時の力加減やタイミングによって結果が違う。実験4-4では静かにそっと撃ったが、実験4-5では力いっぱい撃った。そのため、2つのドーナツは完全に向かい合わせにならずに、すぐに影響し合い、実験4-2のように合体したのだ。

まとめ

空気砲ドーナツが他のドーナツと接触すると、接触点(面)の渦の向きに相手をはじこうとする(ローラー効果)。この結果、いろいろな現象(くぐり抜け、押しのけ、合体、消滅)が起きる。それらは、ドーナツの回転の向きやドーナツ自身の動きにより説明できる。

指導について

指導についてつくば市立桜南小学校 櫻井浩規

 水中のバブルリングが互いに追い抜き合う現象に興味を持ち、空気砲から飛び出したドーナツ(空気の渦)でも同様のことができないかという疑問から、研究が始まりました。
  空気砲については2年生の時から研究していますが、2つの空気砲を干渉させる実験は今回が初めてです。広い場所が必要だったため、夏休みの体育館を貸し切ったダイナミックな実験が行われました。実験結果から、空気砲のドーナツは他のドーナツと接触すると、接触点(面)の渦の向きに、相手のドーナツをはじこうとすること、2つのドーナツが影響し合うと、くぐり抜け、押しのけ、合体、消滅などの現象が起こることがわかり、それらはまた、これまでに実験し証明しているドーナツの特徴を用いて説明できることがわかりました。
  真夏の暑さの中、暗く閉め切った体育館で、びしょびしょに汗をかきながらひたすら空気砲を撃ち続けた根性に、脱帽です。

審査評

審査評[審査員] 小澤紀美子

 この研究は、水中空気砲の追い抜き現象を見て、空気砲のドーナツでも同じ現象を再現できるのではないかと実験を行い、ドーナツの衝突や横並びで飛ぶなどのドーナツの現象を調べ、その原理を解明しています。空気砲の研究を始めてから4年目の成果です。不思議なドーナツの現象の動きを説明するために箱の大きさを変えたり、一穴と二穴の空気砲による干渉実験、煙発生方法の試行錯誤の実験をふまえ、空気砲ドーナツの性質をテニスのラケットで妨害してみて空気砲内部で回転する空気の固まりであること、ドーナツは周りの空気の巻き込みや周りの空気にとけ込まない性質を見いだしています。この原理を基礎に、ドーナツが他のドーナツと接触すると接触面の渦の向きに相手のドーナツをはじこうとするローラー効果を明らかにし、くぐり抜けや押しのけ、合体、消滅の現象をドーナツの回転の向き、ドーナツ自身の動きによって明快に説明しています。研究のまとめ方も簡潔で要領を得ていて、好感を持ちました。

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